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夫婦で意見が割れた時の平和的な結論の出し方
家づくりは、多くのご夫婦にとって人生で一番大きな共同プロジェクト。
それだけに、意見が食い違うことは避けられません。
・間取りの優先順位
・キッチンは壁付け?対面?
・平屋か二階建てか
・どのメーカーにするか
・住宅ローンの組み方
・土地の場所
・内装の好み
・入居タイミング
など、選択の場面は数え切れないほどあります。
高松店でも、毎週のようにこんな相談があります。
「主人が広いリビングにこだわっていて…私は収納を増やしたいんです」
「私は新築が良いのに、夫はコストを抑えて中古推しで」
「お互いの親の意見も入ってややこしくて…」
家づくりの“ケンカ”はよくあること。
でも、実は多くの場合、やり方を少し変えるだけで
とても平和に、しかも合理的に結論を出せるようになります。
今日はそんな“夫婦で意見が割れた時のまとめ方”を
わかりやすく、実例を交えてお伝えします。
そもそも、なぜ意見は割れるのか?
まず知っておいてほしいのは、
意見が割れる=不仲 ではない
ということです。
家づくりは、生活価値観・理想・不安・将来像など
ふだん言語化しない部分が浮き彫りになります。
だから、意見がぶつかるのは自然なこと。
さらに、多くのご夫婦の意見のズレは、実は
好みの違いではなく、目的の違いから起こっています。
【例1:リビングを広くしたい vs 収納を増やしたい】
・夫:家族でゆったり過ごす時間をつくりたい
・妻:片付く家で、ストレスの少ない生活がしたい
→ 実はどちらも「家族が快適に過ごすため」です。
【例2:新築派 vs 中古派】
・新築派:せっかく買うなら満足したい
・中古派:コストを抑えて将来の家計を安定させたい
→ どちらも「安心して暮らしたい」という同じ思い。
多くのご夫婦が 手段 にこだわって争っています。
でも本当に大事なのは 目的の共有 です。
この前提を理解するだけで、会話がガラッと変わります。
ステップ①:まずは「不満」ではなく願いを言語化する
意見が割れているとき、ついお互いこう言いがちです。
「なんでそれにこだわるの?」
「その考えはおかしい」
「あなたはいつも○○」
こうなると、話は必ずこじれます。
大切なのは、不満ではなく“願い”を伝えること。
【よくあるNG例】
妻「収納が少ないと困る!」
夫「リビングは広い方がいいだろ!」
これでは、ただの条件の押し合いです。
【OK例】
妻「家事と仕事を両立する中で、物が片付かないと心に余裕がなくなるの…」
夫「ずっと忙しそうだから、家にいる時間くらいは広々と気持ちよく過ごしてほしいんだよね」
→ 実は同じ方向を向いていることがわかる。
願いの言語化は、
話し合いのスタート地点をそろえるために必要なプロセスです。
ステップ②:お互いの譲れない理由を可視化する
次に、お互いのこだわり部分を紙やスマホに書き出します。
① 譲れないポイント
② その理由(=願いの部分)
③ なくても構わないポイント
④ 代替できる案
【例:夫の主張】
① リビング広く(20帖)
② 家族で伸び伸び過ごしたい
③ 吹き抜けはなくてもいい
④ キッチン横のスタディカウンターを無くせば面積を確保できる
【例:妻の主張】
① 収納をしっかり確保
② 片付いた状態が保てないと家事が回らない
③ 納戸の位置はこだわらない
④ 幅広のパントリーをつければ全体の収納量がまかなえる
こうすると、
家族で快適に過ごしたいという目的は同じだと可視化できます。
ステップ③:「第三者」をうまく使うと結論が早くなる
これは本当に大事です。
夫婦だけで話すと、
どうしても感情が入ってしまい、冷静な判断が難しくなります。
そこで
プロの視点を1つまぜる
だけで劇的に話がまとまりやすくなります。
これはハウスメーカーの営業でも良いのですが
彼らは当然、自社のプランを中心に話します。
しかも調整役としては立場的に限界があります。
そこで効果的なのがおうちの買い方相談室の役目
ここでは、意見の目的を整理し
どの会社のどのプランが合うかフラットに調整できます。
実際に高松店でも、
「夫婦で決められなくて半年経ってしまって…」
というケースが、1回の相談で驚くほど整理され結論に至ることが多いです。
ステップ④:固定費・将来のライフプランを数字で比較する
意見が割れる時の多くは
「感覚」 vs 「感覚」
になっているからです。
そこで一度、
・将来の収支
・教育費
・老後資金
・住宅ローンが家計に与える影響
・予算内でできること/できないこと
を数字で見える化すると、結論は自然と揃います。
✔ 新築派と中古派のズレが埋まる
✔ 設備にどこまでお金を掛けるか判断しやすい
✔ 土地の優先順位が明確になる
✔ 感覚ではなく根拠で決められる
家づくりの衝突の多くは、
金額の認識差から起きています。
数字が揃えば、ケンカの8割は消えます。
ステップ⑤:どちらかの勝ちではなく、夫婦の最適解を探す
家づくりは勝負ではありません。
「どちらかが折れる」
「どちらかが勝つ」
この状態で家づくりを進めると、
必ずどこかのタイミングで後悔・不満が出ます。
大切なのは
■ 2人とも納得しているポイントを最大化する
■ 不満が最小になるバランスを探す
という視点。
【例:キッチン問題】
妻:対面式が良い
夫:壁付けにしてリビングを広くしたい
→ 結果:
「対面式だけど壁付け寄りのセミオープン型にする」
「その代わりリビングの幅は確保する」
こういう第三の案が見えてきます。
【例:立地問題】
妻:実家近くが安心
夫:職場に近い方が楽
→ 結果:
どちらの実家にも職場にも“中間地点”で探す
保育園との距離で候補地を絞る
土日は実家へ行きやすいルートを優先する
家づくりは100点満点を作るものではなく
2人が後悔しない家をつくるプロジェクト。
この視点を共有すると、争いは驚くほど減ります。
ステップ⑥:最後は誰の時間が増える家かで判断する
意見がどうしても割れた時は、
最終判断としてこう考えてみてください。
■ その選択で「誰の時間が増えるか」
■ 家族全体の幸福度はどちらが上がるか
家は時間をつくる場所。
・動線が良くて家事が5分短くなる
・片付けやすくてイライラが減る
・リビングで過ごす時間が増える
・通勤が短くなって家族との時間が生まれる
・掃除が楽で余裕が生まれる
こうした時間の価値で判断すると、
とても平和な結論にたどり着きます。
夫婦でケンカしないための“黄金ルール”
最後に、家づくり中のご夫婦に必ずお伝えしている
黄金ルールをまとめます。
✔ ① 意見が割れるのは当たり前
✔ ② 相手の願いを聞く
✔ ③ 譲れない理由を書き出す
✔ ④ 感情ではなく数字で判断する
✔ ⑤勝ち負けではなく“最適解”を探す
✔ ⑥ 第三者に整理してもらうのが一番早い
✔ ⑦ 「誰の時間が増えるか」で最終判断する
おうちの買い方相談室は、夫婦の調整役としても使ってください
高松店に来られるご夫婦の多くが、
「判断基準が整理できた」
「お互いの気持ちが初めてわかった気がする」
とおっしゃいます。
家づくりのゴールはベストな選択をすることではなく、
家族が気持ちよく暮らせる未来をつくることです。
意見が割れた時こそ、ぜひ気軽に相談しに来てくださいね。
第三者が入ることで、見える景色はガラッと変わります。